【痛風の歴史】

人類の歴史を紐解くと、病気との闘いの記録が端々に見受けられるものです。
痛風も、長い人類の歴史の中で幾度と無く人類を苦しめてきた病気の一つといえます。
どのような形で人類は痛風に遭遇し、痛風と闘ってきたのでしょうか?
ここでは、痛風の歴史について紹介していきます。

人類と痛風の歴史

人類の歴史に記されているのは、「どの文明が栄えたか」や「誰がどのような偉業を成したか」などの教科書で取り上げられているような出来事だけではありません。「どのような病気があったか」といった、医学史としての側面を持っているのです。では、痛風はどのような形で歴史に関わっていたのでしょうか?

紀元前の痛風

痛風の歴史は、人類が文明を興した紀元前の時期から始まっているといえます。古代エジプトのミイラから痛風の結晶が発見されたことや、古代ギリシャの哲学者であるソクラテスが痛風と思しき病気の記録を残しているなど、痛風は文明が栄えてくると発生する病気であったことが窺えます。

古代ローマの痛風

「全ての道はローマに通ず」といわれる程の栄華を誇った古代ローマにおいては、痛風は貴族たちの間に蔓延する病気であったといわれています。原因としては豪華な食生活が挙げられますが、もう一つ致命的な原因が古代ローマ文明にはありました。それは「鉛」です。古代ローマでは鉛製の食器や水道管が使われており、食品添加物としても鉛化合物が日常的に使用されていたのです。体内に蓄積した多量の鉛が痛風を引き起こす原因となり、多くのローマ市民を苦しめることになったという説があるほどです。

モンゴル帝国の痛風

13世紀にチンギス・ハンによって建国されたモンゴル帝国においても、痛風は悩みの種であったといわれています。モンゴルの遊牧民は、羊や乳製品を中心とする食生活を持っていますが、動物性タンパク質の過剰摂取が原因となって痛風が起こりやすいという欠点を持っています。そのため、合議制の会合に出席すると都合が悪い首長は痛風を口実にして会合を欠席することが多かったといわれています。

喫茶と痛風

西洋のコーヒーやお茶を飲む習慣は、痛風対策として始まったといわれています。痛風の原因となる尿酸は尿と共に排泄される性質を持っています。尿酸の排泄を促進する為に、コーヒーや紅茶の利尿作用を利用する為に喫茶習慣が誕生したといわれています。中でもお茶は、貿易における優先品として扱われ様々な国に広まっていったのです。

痛風と偉人

歴史上の人物には、痛風を患った人が数多く存在しています。マケドニアのアレクサンドロス大王に始まり、プロイセンのフリードリヒ2世、清教徒革命を起こしたクロムウェル、万有引力を発見したニュートン、進化論のダーウィンとその時代を代表する人物ばかりです。偉人たちに痛風が見られるのは、食生活の豊かさや政治や学問などの運動不足になりがちな仕事が原因になっているといえます。

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