【高尿酸血症について】

痛風は血液中の尿酸の濃度が一定水準を越えることで発症する病気ですが、尿酸濃度が一定水準を越えた途端に発病するというわけではありません。
潜伏期と呼ぶべき時期を経て痛風がはじめて発病する性質を持っているのです。
ここでは痛風の潜伏期でもある高尿酸血症について解説していきます。

高尿酸血症と痛風

高尿酸血症は、血液中の尿酸濃度が安全基準値の7.0mg/dl以上ある状態のことを指します。尿酸の蓄積量が増えれば痛風を発病する可能性が高まるものですが、高尿酸血症になったからといってすぐに痛風を発病するというわけではないようです。高尿酸血症とはどのような状態なのでしょうか。

原因と種類

高尿酸血症は、発症の原因によって分類することが出来ます。通常、尿酸は排出によって血中濃度がコントロールされているものですが、何らかの身体の異常などを原因として尿酸の濃度がコントロールされなくなることで高尿酸血症が発生するからです。

尿酸産生過剰型

尿酸産生過剰型では、尿酸の生成される量が腎臓のもつ老廃物の処理能力を大きく上回ることで高尿酸血症が起こります。原因としては、尿酸を処理する酵素に関連する遺伝子の異常で起こる「レッシュ・ナイハン症候群」があります。これは尿酸の原料となるアミノ酸を再利用する為の酵素が充分に生産されなくなることで、尿酸の産生量が増加してしまうという遺伝子疾患です。レッシュ・ナイハン症候群の患者は痛風から起こる腎機能障害に悩まされることが多いのが特徴です。

尿酸排泄低下型

尿酸排泄低下型は、腎臓の機能低下によって尿酸をはじめとする体内の老廃物の処理が充分に行われなくなることで発生する高尿酸血症の一つです。主に慢性腎不全などの腎臓障害を原因として発生し、糖尿病などの腎臓に影響する生活習慣病の合併症として引き起こされる場合もあります。尿酸産生過剰型よりも発生する割合がかなり低いのも特徴といえます。

混合型

混合型の高尿酸血症は、尿酸産生過剰型と尿酸排泄低下型の症状が組み合わさって発生します。

高尿酸血症と痛風

高尿酸血症は痛風の原因となる尿酸の血中濃度が高い状態のことですが、高尿酸血症になったからといってすぐに痛風を発病するというわけではありません。高尿酸血症は、「血液中の尿酸が飽和限界を越えた状態」であり「痛風を引き起こす尿酸の結晶化の準備が整った状態」ということなのです。つまり、高尿酸血症は痛風を起こしやすい状態であって痛風そのものではないのです。しかし、高尿酸血症を発症しているということは痛風の発病リスクが高まっている状態でもあるので、出来るだけ早いうちに適切な治療を行なって痛風を予防する必要があるのです。

高尿酸血症の治療

高尿酸血症の治療は、食事療法による治療と薬物療法による治療が行なわれます。治療方針は血液中の尿酸濃度を低下させることで、食事療法では「尿酸の元となるプリン体の摂取抑制」「水分補給による排尿の促進」で、尿酸濃度の調整を行います。薬物療法では、尿酸産生過剰型の患者には尿酸の産生を抑制するアロプリノールを投与し、尿酸排泄低下型の患者には尿酸排泄促進剤を投与します。

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